平成29年信託協会長年頭ご挨拶

昨年の日本経済を振り返りますと、年初のマイナス金利政策導入後も熊本での震災発生や秋口までの円高が景気の下押し材料となりましたが、米国主導の先進国景気の安定に支えられ、景気は緩やかな拡大を続けました。

本年は、米国トランプ次期大統領による政策運営や欧州政治の不安定化など海外情勢は引き続き不透明ですが、ドル高円安の進行が企業収益を支えるほか、昨夏に打ち出された28.1兆円経済対策の効果が顕在化することから景気の回復基調は維持されることが見込まれます。

グローバルに金融政策偏重から財政政策活用の動きが生じるなか、引き続き官民一体で未来への投資と構造改革に取り組み、アベノミクスの成長戦略を推進することが重要と考えます。

信託業界に目を向けますと、信託財産残高は昨年9月末現在で約993兆円と史上最高額となりました。これは、信託がわが国の社会に深く浸透し、経済発展に寄与・貢献していることの証であると認識しております。

さて、私は昨年4月の信託協会長就任にあたり、所信として「信託機能の一層の活用による社会・経済への貢献」と「信託に対する信頼の確保」の二つを大きな柱として掲げました。

「信託機能の一層の活用による社会・経済への貢献」という観点からは、昨年は社会・経済の諸課題・ニーズを踏まえ、税制改正や規制改革、更には公益信託制度に関して積極的に要望・提言活動を行って参りました。高齢者の資産保全や資産の世代間移転、多様な金融商品の提供という観点から、信託を活用できる場面は、なお多いものと考えております。

「信託に対する信頼の確保」という観点からは、私ども信託の受託者はお客様の信頼に応えるフィデューシャリーとして常にお客様のために行動しなければなりません。昨年は、かかる観点から、昨年3月に改定した倫理綱領の加盟会社に対する周知徹底を特に図って参りました。

信託協会といたしましては、今後も引き続き、フィデューシャリー・デューティーを確りと果たして参るとともに、信託の持つ多様な機能・柔軟性を活用し、引き続き社会・経済に貢献して参りたいと存じます。

以上

一般社団法人信託協会 会長 池谷 幹男

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