岡内会長就任記者会見

平成21年04月02日

冒頭、上野専務理事より、本日開催された理事会において、信託協会の新会長に三菱UFJ信託銀行 岡内欣也取締役社長、新副会長に住友信託銀行 常陰均取締役社長を互選し、就任した旨、また、新一般委員長に三菱UFJ信託銀行 和地薫常務取締役が就任した旨の紹介を行った。

続いて、第84回信託大会を4月20日(月)午後3時から経団連会館にて開催し、金融担当大臣と日銀総裁にご挨拶をお願いしているほか、慶応義塾大学の吉野教授に「金融環境の変化に対応した信託の将来」と題する講演をしていただくことになっており、引続き懇談の席も用意しているので、記者クラブの方々にも是非出席いただきたい旨案内を行った。

また、平成21年度の信託研究奨励金の募集を開始したこと、4月1日に当協会は金融庁から金融商品取引法に基づく認定投資者保護団体の認定を受けたことについて説明を行った。

会長就任の抱負

このたび、信託協会会長に就任いたしました岡内でございます。これから1年間よろしくお願いいたします。就任にあたりまして若干の抱負を申し述べたいと思います。

(1)信託制度の健全な発展

これまでの一連の信託関連法改正や諸制度の整備の進展により、信託の更なる発展の基盤は整ってまいりましたが、まず、第一に申し上げたいのは、信託制度の健全な発展に向けて一層努力してまいりたい、ということです。
 信託協会では、従前より調査・研究・広報活動に鋭意取り組むことで信託制度の発達と普及に励んでまいりました。引き続きこれらの活動に取り組むことに加え、その成果を活かし、信託の新たなサービスの実現や利便性の更なる向上に努めてまいります。
 加盟各社のみならず多くの方々との対話の機会を持ち、広く助言・支援を行うなど、情報発信の要としての機能を強化すべく、なお一層努力してまいりたいと考えております。

(2)信頼の確保

第二に申し上げたいのは、「信頼の確保」に努めてまいりたい、ということです。
 信託の活用機会が増加する中、私ども信託の担い手が常に意識すべきことは、信託の機能はその根底にある「信頼」と一体となってはじめて健全に発揮される、ということであります。
 私ども信託の担い手には、信頼に応えるため「高度な専門性」の発揮と「高い倫理観」に基づいた行動が求められており、一層の専門性の強化を図るとともに、もっぱら委託者および受益者のために尽くすという信託の原点・本旨に則った厳正な業務運営を行ってまいる所存です。

(3)信託機能の発揮による社会・経済への貢献

最後に申し上げたいのは、信託機能の発揮により社会・経済に貢献してまいりたい、ということです。
 信託は、柔軟性と使い易さを兼ね備えた仕組みであり、多様化かつ高度化する社会・経済の二一ズに応えるべく、更なる広がりと深化が期待されているものと考えております。
 高度な専門性に裏打ちされた信託機能の発揮により、このような要請に適切に応え、豊かな社会の実現と、わが国経済の発展への一層の貢献に、力を尽くしてまいりたいと考えております。

以上、信託協会長としての抱負を申し述べさせていただきました。

引き続き信託協会の活動につきまして、ご理解、ご支援いただきますようお願い申し上げます。

信託の新たなサービスに対するニーズ

問:
今、抱負をいただいたところであるが、その中で、信託の新たなサービスの実現というようなフレーズがあったが、こういう厳しい金融環境の中で、どういった分野に信託としてのニーズがあると考えているか。
答:
長い目でみると、その時々の経済情勢に応じたいろいろな信託のニーズがあると考えています。例えば、排出権の信託や知的財産権の信託などにも過去取り組んでまいりました。基本的には経済を反映するものであり、経済発展の中でいろいろなニーズが顕在化してくると考えています。足元でいえば、経済は大変厳しい状況ですが、信託ならではの新しいニーズとして、預託金・保証金・前払い金のような顧客の勘定を信託を活用して分別管理し、信託の持つ倒産隔離機能を利用することが考えられます。例えば、FXの証拠金等、資産の保全ニーズに信託の機能が発揮出来るのだと思います。

足元の景気認識

問:
昨日、日銀短観が発表になったが、会長の足元の景気認識はいかがか。
答:
まさに昨日の短観の発表のとおり、大企業製造業のDIが前回の12月のマイナス24から観測史上最も低いレベルであるマイナス58になったということが示すとおり、足許は大変厳しい状況であるとの認識を持っています。ただ、日銀短観の3ヶ月先の見通しが3年ぶりに大企業製造業のDIでマイナス51と改善しているということですから、昨年秋より急速に悪化してきた景気認識の下落率が小さくなってきているということだと思います。これは、我が国をはじめとして世界の主要国が様々な金融・財政両面で対策をとっていること、メーカーで進めている在庫調整がある程度進んできていることを反映していると思います。いずれ下落率の幅がより小さくなることで、底打ちをするのではないかと考えています。

贈与税の減税議論

問:
政府与党で贈与税減税の議論があるが、会長としてどう考えているか。
答:
信託業界としても世代間の資産移転であるとか、投資促進の観点から、従前より信託を利用した贈与について税制面の措置をお願いしてきた経緯もありまして、今回の議論は、生前に贈与することで消費を拡大していく目的かと思いますが、景気対策としても大変に意義の大きいものだと考えています。信託業界としましてもまだ議論の詳細は明らかになっていないなか具体的なアイデアはありませんが、従来の我々の要望等との関連でも信託を使って貢献出来ればいいのではと考えています。

債権流動化の仕組み等の改善点

問:
SFCGの債権の二重譲渡について聞きたいが、個社のコンプライアンス上の問題は別として、再発防止の観点から債権流動化の仕組みとか、法制度とか、オペレーションの仕方について、改めることがあるのか、個人的な見解で構わないので、教えていただきだい。
答:
これは一般論になるが、流動化の債権の確保としては、第三者対抗要件などの具備を基本に行っているので、引続き、対抗要件の具備という形で法的な解決を図っていくことになろうかと考えています。
問:
関連して、1点だけ。今回、管財人のご指摘では、700億円ぐらいの規模となるということで、件数とともに規模が非常に大きいことに驚くが、原因とか、背景とかについて、何か見解をお持ちか。
答:
その点については、報道されている以上の情報を持ち合わせていないので、特段見解はありません。

不動産市況の見通しと不動産仲介業務への影響

問:
不動産市況の見通しが、引き続き厳しい状況にあるかと思うが、見通しと信託銀行が手がける不動産仲介業務への影響を教えてほしい。
答:
ここ4、5年くらいの不動産のマーケットというのは、大きく分けると、実際に自らの用に供する実需の部分と投資対象の部分があると考えています。このいずれもが最終的には、経済・景気の状況あるいは株式をはじめとする市場の状況とに大きく連動しており、例えば、実需の部分については、昨日の日銀短観にあったように、設備投資意欲が現状高くないなかで動きが鈍くなっています。ただ、これは、ばらつきがあって、業界によっては、引き続き、実需のニーズはあるわけですので、全くないというわけではありませんが、従来に比べると、そういう部分の動きも鈍くなっています。また、投資としての不動産については、株式等と同じように、ややセンチメントの影響から低調ということもあるので、この回復は、景気そのものの回復あるいは、株式等の市況の回復とパラレルに動くのではないかと考えており、その回復を待っているということです。

景気見通し

問:
先ほど、いずれかの時期に景気が回復するのではないかという発言があったが、昨日の日銀短観を受けて、政府や日銀が成長率の下方修正をする可能性があるかと思うが、会長は、どの時点で景気が底打ちし、本格的に景気が回復すると思っているのか。
答:
私ども、信託協会として、公式見解を持っているわけではないので、個人的見解ということで述べさせていただくと、先ほども申し上げた通り、足元、急激な下落はやや止まってきて、下落率がやや改善しつつあることを考えると、いくつかこなすべき課題があり、道のりは平坦ではないかもしれないが、今年度の後半、あるいは、今年の終わりから来年の初めのどこかで底打ちの時期があるのではないかと考えています。

適格退職年金廃止に伴う取り組み

問:
2012年3月に適格退職年金の廃止が予定されている。2009年度が始まったが、なかなか移行の準備とかが進んでいない状況かと思う。確定給付型企業年金、確定拠出型年金への移行とかに関する考えはどうか。
答:
おおよその数字で申し上げると、現在、適格退職年金の件数は、約3万件あるということであって、そのうち約5千件を信託銀行が取り扱っています。三菱UFJ信託銀行個社として申し上げると、過去数年間、2012年3月の適格退職年金廃止を見越して、毎年度ごとの移行の計画を立てており、お客様にご案内、ご相談、アドバイスを行ってきています。私どもとしては、向こう3年間、これまでのペースで移行が進むと、予定どおりに完了できるのではないかと考えており、信託加盟各社も概ね同じような状況ではないかと考えています。

以上

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