令和3年 信託協会長年頭ご挨拶

2021年01月04日

 昨年の日本経済は、米中貿易摩擦による世界的な貿易の鈍化や2019年の消費税率引き上げ等を背景に、年初から減速感が漂っていたところに、新型コロナウイルス感染症拡大が直撃し、リーマン・ショック時並みの大幅なマイナス成長となりました。

 本年は、感染拡大の抑制と経済活動維持双方のバランスを取る中で、経済回復のペースは緩やかになることが想定されます。政府の大規模経済対策の効果出現が景気高揚に繋がることが期待されるところです。

 一方、信託業界に目を向けますと、信託財産残高は昨年9月末現在で約1,300兆円と史上最高額を更新しました。これは、信託制度が、重要なインフラとして我が国の社会・経済の発展に貢献している証左であると認識しています。

 さて、私は、昨年4月の信託協会会長就任にあたり、所信として、「信託機能の発揮によるサステナブルな社会・経済の実現への貢献」および「令和新時代における信頼の向上」の2つを活動の柱として掲げ、信託商品・サービスの普及による高齢化への対応、デジタル技術を活用したコロナ禍における株主総会の円滑な運営などに尽力してまいりました。 

 また、信託協会では、日本経済の持続的な成長に向けて信託機能を発揮するとともに社会的課題へ対応するため、税制改正や規制改革等の要望・提言を行いました。その中において、2020年度末に措置期限を迎える教育資金贈与信託、結婚・子育て支援信託に関する贈与税の非課税措置について期限延長の方針が示されており、我々信託業界としても、少子高齢化に対応することで持続可能な社会・経済の実現に、より一層貢献しなければならないと改めて意を強くしているところです。
 
 ウィズコロナの時代において、社会の「万が一に対する備え」にも活用できる信託への期待は益々高まるものと思われます。本年も、信託協会は、これまで培ってきた資産運用・管理・承継などに関する知識・経験といった専門性を最大限に発揮して、その期待に応えてまいりたいと考えています。

一般社団法人信託協会 会長 梅田 圭