Ⅲ. 平成(1989年-2019年)金融制度改革、信託2法の改正と信託機能の活用の広がり

3.

信託制度の普及・発展への対応

(1)

各種出版物の発行・発刊

平成元年(1989)年2月に、リーフレット「特定贈与信託」を発行し、平成2(1990)年3月には、オピニオン誌的な内容の広報誌『Trust』を発行しました(※)。
また、金融の自由化および金融制度論議の進展、金融制度改革法施行による他業態からの信託業務への参入等といった環境の変化を踏まえ、昭和48(1973)年に発刊の『信託銀行読本』および昭和51(1976)年4月に発刊の『信託実務用語辞典』の内容の見直しを行い、平成8(1996)年4月に『新 信託銀行読本』、平成14(2002)年に『新版 信託実務用語辞典』として発刊しました。

  • 当初は、年4回発行し、平成11(1999)年から年2回発行に変更、平成13(2001)年4月発行の第41号をもって廃刊しました。
(広報誌『Trust』創刊号、各種刊行物)
(2)

早稲田大学、東京大学への信託法寄付講座の設置

早稲田大学には、平成8(1996)年に信託法寄付講座を設置しました。平成16(2004)年には、学部に加え大学院にも信託法寄付講座を設置し現在にいたります。
東京大学には、平成10(1998)年に大学院での演習(ゼミナール)、学部での講義の2講座(通年で4単位)の信託法寄付講義を設置しました。平成17(2005)年からは法科大学院の創設に伴い、法科大学院での講義・演習に変更され、現在にいたります。

(3)

信託協会ホームページの開設、拡充

信託協会ホームページは、平成9(1997)年7月、公益信託20周年記念事業の一環で、公益信託の仕組みや特色、事例等を紹介する「公益信託ホームページ」を開設したことから始まります。平成11(1999)年には、信託統計データ、海外刊行物、信託税制改正要望、ニュースリリース等を掲載するといった充実を図りました。
その後、平成16(2004)年には、利便性の向上の観点からトップページのデザインの見直し、同年の信託業法改正を踏まえたコンテンツの見直し、平成19(2007)年には、80有余年ぶりの信託法の全面改正を踏まえて、「はじめての信託」、「もっと信託」のコーナーを設ける等の全面リニューアルを行いました。
平成27(2015)年には、信託商品の動画の掲載、英文ホームページの開設を行い、平成30(2018)年には、平成19(2007)年の全面見直しから10年余りが経過し、新しい信託商品の取扱いも開始されたことを踏まえて、より親しみやすい内容とするために、初心者向けの「イチから学ぶ信託」のページの新設、クイズ形式で理解度をチェックできる「信託クイズ」の掲載等の全面リニューアルを行いました。

写真は令和8年8月時点の信託協会ホームぺージ

(4)

「信託の受託概況」の信託の機能別分類に基づく計数公表

昭和52(1977)年6月末分からマスメディアに公表を開始した「主要信託受託概況」は、平成4(1992)年3月末分から、「信託財産受託概況」と名称、様式を変更して公表を続けました。
公表計数は信託の財産区分をベースとした信託を種類別に分類した計数でしたが、平成に入ってからの信託の利用状況を的確に公表するため、平成13(2001)年9月末分から、資産運用型、資産管理型および資産流動化型の信託の3つの機能別に分類した計数を公表することとしました。平成15(2003)年9月末分からは、各機能の内訳計数を公表する拡充を行い、現在にいたります。

(5)

金融経済教育・教員研修の実施

金融経済教育への取組みとして、広報活動の一環として、一般消費者や市民向けの講座、NPO法人や障がい者支援団体が実施するセミナーおよび大学の講義等に事務局の職員を講師として派遣を実施しています。
また、一般財団法人経済広報センター主催「教員の民間企業研修」制度を利用した教員研修も、平成19(2007)年以降、毎年行っています。
さらに、平成25(2013)年4月に金融庁が公表した「金融経済教育研究会報告書」を踏まえて、同年6月に設置された「金融経済教育推進会議」(事務局:金融広報中央委員会)に、信託協会は、第6回会議(平成27(2015)年12月開催)からオブザーバーとして参加しました。
その後、同会議は令和6(2024)年4月5日に設立された金融経済教育推進機構(J-FLEC)に引き継がれ、信託協会も委員として参加しています。

(6)

信託オープンセミナーの開催

平成18(2006)年12月の信託法改正や翌年の信託税制の整備を受けて、関係当局からの要請もあり、信託制度の健全な活用に係る広報の観点から、加盟会社の他、広く信託制度の実務に携わる方々等を対象とした講演「信託オープンセミナー」を開催することとし、平成21(2009)年6月に第1回を大手町サンケイプラザで開催しました。
テーマは、信託に関する法制、税制、会計のみならず、幅広い有益な内容を取り上げています。なお、令和2(2020)年4月以降、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため緊急事態宣言が発出されたことを踏まえ、開催を令和4(2022)年まで休止しておりましたが、オンライン(※)形式により同年11月から開催し、以降現在まで同形式にて開催を続けています。

  • Web会議システムによる配信。
(7)

アジア諸国との交流活動(海外調査)

平成22(2010)年以降、アジア各国の信託関係団体等との交流や情報交換を積極的に促進することとし、以下のとおり中国、韓国、シンガポール、台湾を往訪しました。またアジア各国の当局、関係団体、実務家等の来訪・照会にも適宜対応しています。

【往訪実績】

  • 中国:2回 平成22(2010)年、令和元(2019)年
  • 韓国:3回 平成24(2012)年、平成30(2018)年、令和8(2026)年
  • シンガポール:1回 平成25(2013)年
  • 台湾:2回 平成26(2014)年、令和7(2025)年