Ⅲ. 平成(1989年-2019年)金融制度改革、信託2法の改正と信託機能の活用の広がり

5.

後見制度支援信託導入への取組み

平成12(2000)年に発足した成年後見制度は、高齢化等の進展で10年後の平成22(2010)年には、利用件数が3万件と発足時の4倍超に増加しました。それに伴い、不正の事例が発生したことも踏まえて、後見制度により支援を受ける方の財産の管理・保護のあり方を含め適切な後見事務を確保するために信託を利用することについて、最高裁判所事務総局家庭局の提案で同局、法務省民事局および信託協会の三者で勉強会を開催することとなりました。
その後、平成23(2011)年2月に「後見制度支援信託」の仕組みが取りまとめられ、平成24(2012)年2月から取扱いが開始されました。

6.

教育資金贈与信託、結婚・子育て支援信託制度創設への取組み

平成に入りわが国において、少子・高齢化が進行し、国、民間において数々の対策が取られるようになりました。
信託協会においても、平成17(2005)年度から、税制改正要望において、投資・資産移転の促進および少子化対策として、信託を利用して教育費への贈与を行った際の贈与税の非課税措置の創設要望を断続的に行ってきました。その結果、平成25(2013)年度税制改正において、教育資金贈与信託の創設が実現し、平成25(2013)年4月から取扱いが開始されました。
また、平成25(2013)年度税制改正要望において、信託を利用して結婚・出産等に係る資金を贈与した際の贈与税の非課税措置の創設要望を行いました。その結果、平成27(2015)年度税制改正において要望が実現し、平成27(2015)年4月から取扱いが開始されました。
両信託は、時限的な非課税措置であることから、当協会から制度の恒久化の要望を継続的に行った結果、数次にわたり適用期限が延長されました。
教育資金贈与信託は最終的に、令和8(2026)年度税制改正大綱において、令和8(2026)年3月末の適用期限を延長しないこととされ、終了しました。
結婚・子育て支援信託は適用期限が、令和9(2027)年3月末となっています。