公益信託と税制

公益信託は、民間の資金を広く社会一般のために役立てるための制度です。公益信託には、税制上の区分として「特定公益信託」と「認定特定公益信託」が規定され、税制上、各種の優遇措置がとられています。概略は次のとおりです。

1.特定公益信託

(1)信託終了の時における信託財産がその委託者に帰属しないこと、(2)信託契約は合意による終了ができないものであること、(3)出捐する財産が金銭に限られていること、等の一定の要件を満たすことが信託契約において明らかであり、信託銀行等が受託者であることについて、主務大臣の証明を受けた公益信託をいいます。

2.認定特定公益信託

特定公益信託のうち、次の信託目的を有するものであることおよびその目的に関し相当と認められる業績が持続できることについて主務大臣の認定を受け、かつ、その認定を受けた日の翌日から5年を経過していないものを「認定特定公益信託」といいます。

  • 科学技術(自然科学に係るものに限る)に関する試験研究を行う者に対する助成金の支給
  • 人文科学の諸領域について優れた研究を行う者に対する助成金の支給
  • 学校教育法第1条(定義)に規定する学校における教育に対する助成
  • 学生又は生徒に対する学資の支給又は貸与
  • 芸術の普及向上に関する業務(助成金の支給に限る)を行うこと
  • 文化財保護法第2条第1項(定義)に規定する文化財の保存及び活用に関する業務(助成金の支給に限る)を行うこと
  • 開発途上にある海外の地域に対する経済協力(技術協力を含む)に資する資金の贈与
  • 自然環境の保全のため野生動植物の保護繁殖に関する業務を行うことを主たる目的とする法人で、当該業務に関し国又は地方公共団体の委託を受けているもの(例えば、国又は地方公共団体が出資しているものなど、これに準ずるものとして財務省令{所得税法施行規則第40条の9第2項}で定めるものを含む)に対する助成金の支給
  • すぐれた自然環境の保全のためその自然環境の保存及び活用に関する業務(助成金の支給に限る)を行うこと
  • 国土の緑化事業の推進(助成金の支給に限る)
  • 社会福祉を目的とする事業に対する助成
  • 上記の2以上をあわせてその目的とするもの

3.信託設定時

公益信託を設定(追加信託を含む)した委託者および公益信託へ寄附した寄附者に対して、以下の表のとおり優遇措置があります。

特定公益信託 認定特定公益信託
個人 寄附金控除(相続または遺贈により取得した財産の金銭を支出した場合には、相続税非課税)
法人 一般寄附金として損金算入 別枠損金算入

4.給付時

受給者が個人の場合、財務大臣が指定する学術貢献表彰または学術研究奨励を目的とする特定公益信託および学資支給を目的とする特定公益信託については、所得税(委託者が法人の場合)・贈与税(委託者が個人の場合)とも非課税とされています。

5.委託者(個人)死亡時

特定公益信託の要件を満たす公益信託については、委託者が死亡したときに、相続税ではその信託に関する権利の価額はゼロとして取り扱われ、非課税となります。

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