よくあるご質問(Q&A)

信託相談所に寄せられたご相談・照会のなかから、よくご相談いただく内容をまとめております。
ここでは、信託兼営金融機関および信託会社を「信託銀行等」としてご説明します。
なお、信託銀行等が実際に取り扱いを行う信託業務・併営業務の範囲・内容は、各信託銀行等により異なります。詳細につきましては、各信託銀行等にお問合せください。

金銭信託・貸付信託

預金保険制度の対象となる信託商品には、どのようなものがありますか。また、万が一信託銀行等が破綻した場合、信託財産はどうなりますか。

信託商品のうち、元本補てん契約(※)がある金銭信託は、預金保険制度の対象となります。(元本補てん契約のない金銭信託は、預金保険制度の対象にはなりません。)
また、信託財産は、信託銀行等自身の固有財産とは分別管理されており、信託銀行等が万が一破綻した場合でも、金銭信託の受益者には、その信託財産の状況に応じて支払がなされます。
なお、預金保険制度についての詳しい情報は、預金保険機構のホームページをご覧いただくか、お取引のある信託銀行等の窓口にお問い合わせください。

(※)信託は実績配当(信託財産によって生じる利益も損失も契約によって定められた受益者に帰属する)が原則ですが、一部の信託商品については、元本の損失を補てんする契約を結ぶことが認められています。こうした契約を「元本補てん契約」といいます。

公益信託

公益信託とはどういう信託ですか。

公益信託は、契約・遺言により委託者から託された財産を管理・運用する信託銀行等の受託者が、「委託者の想い」(公益信託の目的)に沿って公益活動を継続的に行う信託です。

改正公益信託法により公益信託制度はどのように変わったのですか。

改正公益信託法により、受託者の担い手が多様化し、信託銀行等に加え、自然人(個人)、公益法人・NPO法人等が公益信託の受託者になることができるようになったほか、助成以外の公益的な活動が行えるようになり、認可・監督の基準も統一的なものになりました。

公益信託の税制上の優遇措置はどのようなものですか。

公益信託認可と税制優遇が連動し、認可を受けた全ての公益信託において、基本的に公益法人と同等の税制優遇を受けることとなります。具体的には、個人の寄附金は所得税法上、所得控除の対象となる場合があり、法人については、一般の寄附金に係る損金算入限度額とは別枠で損金算入が可能となります。また、個人が、土地、建物、株式などの財産を寄附した際、その寄附が公益の増進に著しく寄与することなどについて国税庁長官の承認を受けることでみなし譲渡課税(寄附時の時価により譲渡があったものとみなされ、これらの財産の取得時から寄附時までの値上り益に対して所得税が課税される)は適用されません。信託財産から生じた所得には所得税が課されず、利子・配当等に係る源泉所得税も所定の要件を満たせば非課税となります。

公益信託において、信託管理人を選任する必要はありますか。

公益信託の利益は、公益目的に沿って、不特定かつ多数の者に及ぶことが予定されていることから、そうした方の利益を保護するため、信託契約により信託管理人が置かれます。信託管理人は、受託者の職務のうち信託財産の元本の取崩し、信託の決算等の重要な事項について同意・承認を与え、受託者から事業計画・収支予算、事業報告・収支決算等の報告を受ける等の権限を有します。

特定贈与信託

特定贈与信託とはどういう信託ですか。

特定贈与信託は、障がいをお持ちの方の生活の安定を図ることを目的に、親族の方などが信託銀行等に金銭等の財産を預け、信託銀行等がその財産を管理して、生活費や医療費を継続的に給付する信託です。この特定贈与信託を利用すると、特別障害者の方については6,000万円を、特別障害者以外の特定障害者の方については3,000万円をそれぞれ限度として贈与税が非課税となります。

贈与税非課税枠が適用される障害者の範囲はどのようなものですか?

特定贈与信託において最大6,000万円までの贈与税非課税枠が適用されるのは、相続税法上の「特別障害者」です。具体的には、精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある方、児童相談所・知的障害者更生相談所・精神保健福祉センター又は精神保健指定医等により重度の知的障害者と判定された方、精神障害者保健福祉手帳に障害等級1級の者として記載されている方、身体障害者手帳に身体障害等級1級又は2級の者として記載されている方などが該当します。
また、最大3,000万円までの贈与税非課税枠が適用される「特別障害者以外の特定障害者」の方は、療育手帳に「中軽度」または「B」などの記載がされている方、精神障害者保健福祉手帳に障害等級「2級」または「3級」の記載がある方等です。
なお、身体障害者3~6級の方は「特別障害者以外の特定障害者」には含まれません。

金銭以外の財産も信託することができますか?

特定贈与信託において、信託できる財産として、税法(相続税法施行令第4条の11)により、金銭、有価証券、不動産などが規定されています。ただし、実務上、信託できる財産を金銭に限っている信託銀行等も多く、不動産(特に居住用不動産)を信託することができる場合はかなり限られます。なお、詳しくは、個別の信託銀行等あるいは信託相談所にご相談ください。

受益者代理人や成年後見人の選任は必要ですか。

特定贈与信託を設定する場合、受益者代理人の選任を受託条件としている信託銀行等が多く、受益者の状況によっては複数の受益者代理人(後順位の受益者代理人)の指定を求められることもあります。

障害者(受益者)への金銭の交付額は、どのように決まるのですか。

特定贈与信託の受益者に対する信託財産からの金銭の支払については、税法(相続税法施行令第4条の12)において、対象となる障害者の「生活または療養の需要に応じるため、定期に、かつその実際の必要に応じて適切に行われることとされていること。」と定められています。受益者への金銭の交付額については、以上の税法の規定を踏まえて定められますが、具体的な支払金額、支払時期については、信託銀行等にご相談ください。

特定贈与信託の委託者が死亡した場合に受益者に対して相続税が課されますか。また、信託財産から生ずる収益には課税されますか。

特定贈与信託は、特定障害者の生活の安定を目的として設けられた贈与税の非課税制度です。受益者が特別障害者の場合は6,000万円まで、特別障害者以外の特定障害者の場合は3,000万円まで、贈与税が非課税となります。
一般に相続開始前の一定期間内に生前贈与がなされていた場合、その贈与により取得した財産の価額は相続税の課税価額に加算されて相続税が計算されますが、特定贈与信託については、委託者に相続が発生しても、受益者が特別障害者の場合を例にとると贈与税につき非課税の適用を受けた信託受益権6,000万円までの金額に相当する部分の財産は、課税価額には加算されません。
なお、信託財産から生ずる収益は受益者の所得となりますので、所得の種類に応じて所得税が課税されます。

不動産の流動化・証券化業務

信託銀行等の取り扱っている不動産の流動化・証券化業務とはどのような業務ですか。

不動産の流動化・証券化業務とは、企業などが保有する不動産などの資産につき信託受益権化やSPCの活用等の手法により流動化・証券化を行い、投資家などから資金調達等を行うことを支援する業務です。

不動産信託

不動産を信託したときの税金はどうなりますか。

不動産を信託すると、所有権が委託者から受託者に移転しますが、税法上は受益者が信託財産の所有者として扱われますので、委託者と受益者が同一である場合には、所得税、法人税は課税されませんし、贈与税も生じません。一方で、受益者が委託者以外の場合に適正な対価なしに受益者となったときには、贈与税などが課税されます。
また、信託の設定時には、所有権の移転登記、信託の登記を行うことになります。この所有権の移転は形式的なものであるため、その所有権移転登記については登録免許税および不動産取得税は非課税です。他方、信託の登記については、登録免許税が課税されます。
固定資産税は、不動産の名義人(受託者)に課されますが、信託財産に関する費用として信託財産の中から支払いますので、実質的には受益者が負担することになります。

遺言・相続関連業務

信託銀行等の遺言信託とはどのような業務ですか。

信託銀行等が遺言書作成の相談から、遺言書の保管、そして遺言書の執行まで相続に関する手続きをサポートする業務です。なお、一般に金融機関の「遺言信託」は信託法上の信託契約ではなく、遺言作成・保管・執行に関するサービスです。

信託銀行等が行う遺言執行業務(遺言書の保管を含む)とはどのような内容ですか。

遺言執行業務は、信託銀行等が遺言執行者となって財産に関する遺言の内容を実現する業務をいいますが、この業務を取扱う信託銀行等では、遺言書の作成段階から遺言者の相談に応じ、遺言書を保管したうえで、相続開始後に遺言執行者として遺言を執行します。ただし、相続開始時の事情の変化等により、遺言執行が法令上又は事実上著しく困難であると認められる場合には、遺言執行者への就任を辞退することがあります。なお、信託銀行等は身分行為に関する遺言執行は行うことができません。また、信託銀行等では、遺言書の作成支援や遺言執行業務とは別に、遺言書の保管のみを行うサービスを提供している場合もあります。

信託銀行等が行う遺言執行業務に係る報酬には、相続税申告業務や不動産登記業務に係る報酬が含まれていますか。

含まれていません。税務申告について他人の代理を行ったり、申告書を作成したりすることは税理士の独占業務であり、不動産登記について他人の登記申請を代理することは司法書士の独占業務です。このため、相続税申告や不動産登記を税理士や司法書士に依頼する場合には、遺言執行の報酬とは別に主に次の費用が必要となります。
・相続税申告: 税理士への報酬
・不動産登記: 司法書士への報酬および登録免許税

信託銀行等の遺言書の保管料はどのくらいですか。

一般的に、信託銀行等は、遺言書の当初保管時に取扱手数料を収受し、その後は毎年一定の時期に年1回保管料を収受します。
ただし、取扱手数料及び保管料は信託銀行等によって異なりますので、各信託銀行等にお問い合わせください。

信託銀行等の遺産整理業務とはどのような内容ですか。

信託銀行等の遺産整理業務は、相続の開始後に相続人全員から委任を受け、信託銀行等が代理人となって財産調査、財産目録の作成を行い、「遺産分割協議書」に基づく遺産の分配・債務の支払・相続税の納付等の遺産相続手続を行うものです。

信託銀行等の遺言代用信託とはどのような信託ですか。

信託銀行等の遺言代用信託とは、委託者が生存中は財産の運用益等を受け取り、死亡後はあらかじめ指定した配偶者や子などに一時払い方式のほか定時定額払い方式で財産をスムーズに引き継ぐことができる信託です。

その他

信託銀行等の個人情報の取扱いに関する苦情等はどこに連絡したらいいのですか。

信託相談所で受付いたします。

信託銀行とはどのような銀行ですか。

信託銀行とは、「銀行業務」のほかに「信託業務」と「併営業務」(相続関連業務、証券代行業務等)を行っている銀行のことです。普通の銀行では、預金や貸付などの銀行業務を行っているのに対し、信託銀行では、銀行業務に加えて信託業務と併営業務を行っています。

信託会社とはどのような会社ですか。

信託会社とは、信託業法に基づいて信託業務を行う会社です。信託銀行と同様に、信託の目的に従って他人の財産の管理、運用または処分をする「信託」を引き受けますが、信託会社は銀行ではないため、信託銀行のような預金の受入れや融資等の銀行業務を行うことはできません。

信託銀行には信託勘定と銀行勘定とがあるのはなぜですか。

信託銀行に信託勘定と銀行勘定があるのは、信託法上、信託財産を固有財産から分別して管理する必要があるためです。このため、信託銀行はその分別管理を確保する観点から、他人(お客様)のための財産である信託財産と信託銀行自らの財産(固有財産)とを信託勘定と銀行勘定に分け、経理上も厳格に処理しています。

信託銀行の分別管理義務とはどのような義務ですか。

信託銀行の分別管理義務とは、信託銀行(受託者)に対して、信託財産を自己の固有財産や他の信託財産と分別して管理することを義務づけるものです(信託法第34条)。これは、信託財産が受託者固有の財産とは独立した財産として管理され、信託財産から生じる利益が受益者に帰属することから、受益者を保護するために設けられた制度です。

あっせん委員会が利用ができるトラブルが解決しない場合とは、どのような場合ですか。

信託銀行等とのトラブルに基づく苦情で、原則として、信託相談所もしくは信託銀行等へのお申し出から2カ月以上にわたり、苦情の解決が図られていないとするお申し出をお客様から受けた場合です。
なお、あっせんの申立てをいただいても、その内容によっては、あっせん委員会がその申立てを不受理とする場合もあります。

「あっせん委員会」の利用は、費用がかかりますか。

通信費、交通費などを除き無料です。
なお、あっせん委員会が必要と判断した場合には、オンラインでの「あっせん委員会」利用も可能です。

最近、マスコミ等で、子供が受託者になり、親の財産を管理するような家族信託(民事信託)が話題になっていますが、このような信託についての相談は受け付けてもらえるのですか。

信託相談所は信託銀行等の信託業務等に関する相談、苦情等を受け付けておりますが、ご質問のような家族信託(民事信託)は信託銀行等の業者以外の方が受託者として設定されるものですので、原則として、信託相談所ではご相談に応じかねます。家族信託(民事信託)に詳しい弁護士、司法書士等にご相談ください。

信託協会の非加盟会社の苦情について信託相談所で対応しますか。

加盟・非加盟にかかわらず、信託銀行・信託会社等の事案について対応いたします。


イチから学ぶ信託

「信託ってなに?」「どのように使われているの?」
など、信託に関する疑問をイチから学べます。

詳しく見る