第94回信託大会(三菱UFJ信託銀行 池谷社長)

2019年04月10日

 当協会は、平成31年4月10日(水)に、経団連会館において第94回信託大会を開催いたしました。

 はじめに池谷幹男信託協会会長(三菱UFJ信託銀行社長)から、信託に対する信頼の維持・向上、信託制度の活用による社会・経済の持続的な発展への貢献について所信を述べた後、麻生太郎金融担当大臣、黒田東彦日本銀行総裁からそれぞれご挨拶をいただきました。

 また、神作東京大学大学院法学政治学研究科教授から「持続的発展を目指す社会と信託」と題するご講演をいただきました。

所信

 わが国信託は、黎明期となる「明治」、制度の確立した「大正」、普及期の「昭和」、多様化の進んだ「平成」と、時代の流れと共に発展を続け、今まさに次の時代となる「令和」に向かうところにある。
 一般社団法人信託協会は、大正15 年の創設以来、信託制度の普及・健全な発展のための活動に取り組んできた。この間、わが国信託は、社会・経済を支える重要なインフラとしての発展を続け、信託財産は平成30 年12 月末時点で1,175 兆円にまで拡大している。

信託に対する信頼の維持・向上

 信託とは、委託者および受益者からの信頼に、受託者が誠実に応えることによって成り立つ制度である。
 世界的な歴史を紐解けば、信託は、古くは紀元前のローマ法の時代にまでその起源を遡ることができるとも言われ、様々な地域で形成・発展を続けてきた。時代や場所を変えつつも、その根底に「信託の受託者は、信託財産に込められた委託者の意思を尊重し、受益者の為にこれを遂行していく」という、信託の基本原理を見出すことができる。
 私どもは、この基本原理を受け継ぎ、これを次世代に繋いでいく「信託の担い手」として、忠実義務や善管注意義務等の法的義務を果たしつつ、高い倫理意識と専門性をもって、誠実に行動せねばならないと考える。
 今後も、みなさまに安心して信託をご活用いただくことができるよう、私どもは、能力・資質の向上に不断の努力を重ね、全力で信託業務に取り組み、受託者責任を果たし続け、信託に対する「信頼」の維持・向上に尽力してまいりたい。

信託制度の活用による社会・経済の持続的な発展への貢献

 こうした信念の下、私どもは、信託制度のより一層の活用・普及に努め、社会・経済の持続的な発展に貢献してまいりたい。
 現在、グローバルな経済成長の鈍化、さらにわが国では、少子化・高齢化も進行している。他方、わが国も含め、各国の政府・企業・団体等の様々なレベルで、社会・経済の持続的な発展や成長が志向され、SDGs(持続可能な開発目標)の達成に向けた取り組みも各方面で進展している。
 こうした中、わが国信託のあるべき姿とは、財産の管理・運用・活用といった信託機能の提供を通じて、社会・経済の活動を支え、その持続性や継続性の確保に資する社会的基盤になること、と考える。
 私どもは、信託の担い手として、信託機能の堅確化・高度化のほか、各種ガバナンス改革の普及、海外との交流やFinTech 等の新たなイノベーションにも対応し、信託の「社会・経済の持続的発展を支える基盤」としての地位をより確かなものとすべく、様々な商品・サービスの開発・提供に創意工夫をもって取り組み、信託制度の活用・普及を進めてまいりたい。

ご講演

「持続的発展を目指す社会と信託」
東京大学大学院法学政治学研究科 神作裕之教授

以上