第93回信託大会(三井住友トラスト・ホールディングス 大久保社長)

2018年04月11日

 当協会は、平成30年4月11日(水)に、経団連会館において第93回信託大会を開催いたしました。

 はじめに大久保哲夫信託協会会長(三井住友トラスト・ホールディングス株式会社取締役執行役社長)から、信託機能の活用を通じた社会・経済への貢献、変化への対応と安心の提供について所信を述べた後、越智隆雄金融担当副大臣、黒田東彦日本銀行総裁からそれぞれご挨拶をいただきました。

 また、沖野東京大学大学院法学政治学研究科教授から「信託への期待」と題する講演をいただきました。

所信

 信託制度は、年金や投資信託など社会・経済の重要なインフラとして発展を続け、信託財産総額は本年1月末時点で約1,100 兆円と史上最高額を更新した。
 これは信託に対する信頼と期待の現れと認識しており、それにお応えするため、これまで以上に、経済の発展や社会の課題の解決に貢献していく必要があると改めて認識している。

信託機能の活用を通じた社会・経済への貢献

<安定的な資産形成の促進など社会・経済の発展への貢献>
 信託協会加盟各社は、これまで担ってきた資産運用や資産管理などの重要な役割を改めて認識したうえで、お客様本位の業務運営に努めていく必要があると認識している。お客様のご期待にしっかりとお応えし、将来の生活への不安感を払拭いただけるよう、安定的な資産形成の促進に知恵を絞って参りたい。
 また、「教育資金贈与信託」など資産の世代間移転により経済の活性化に資する商品の提供や、機関投資家としての実効性あるスチュワードシップ活動の推進等を通じて、社会・経済の発展に、より一層貢献して参りたい。

<高齢社会への対応>
 これまでも、高齢社会におけるお客様のニーズを踏まえ、円滑な資産承継を後押しする「遺言代用信託」や、後見制度を財産管理の側面から支援する「後見制度支援信託」など、信託の特性をいかした商品を開発し、提供してきた。引き続き、長期的な財産管理機能を活用した、商品・サービスの提供と普及に努めて参りたい。

<アジア諸国へのノウハウや知見の提供>
 アジア諸国での足許の信託の活用状況や法制の改正動向等を踏まえ、受託者としてこれまで蓄積してきた信託に関するノウハウや知見の提供を行うことにより、アジア諸国の信託制度の発展にも貢献して参りたい。

変化への対応と安心の提供

 技術革新などが予測困難なスピードで進展し社会・経済が大きく変化する中、新たな潮流を捉えた創造性の発揮と専門性の更なる向上を図っていく必要があると考えている。
 このような急速な環境変化の中にあっても、委託者・受益者と受託者との高度な信頼関係を前提とする信託の基本精神は決して変わるものではない。忠実義務をはじめとする受託者責任をまっとうし、信託業務を確実に遂行することにより、お客様の信頼に応え、安心して信託をご利用いただくことが重要な使命であると考えている。
 今後も、変化への対応と安心の提供を両立させ、信託の更なる普及と健全な発展に尽力して参りたい。


以上