常陰会長定例記者会見

平成23年03月17日

東北地方太平洋沖地震について

この度、発生した「東北地方太平洋沖地震」においては、東北地方を中心として広い範囲で大きな被害が生じており、お亡くなりになられた方々に対して衷心よりお悔やみを申し上げますとともに、被災された方々には、心からお見舞いを申し上げます。

当協会及び加盟会社としましては、国を挙げて実施されております計画停電に対しまして、自家発電設備等の活用により、業務を平常通り継続すべく、最大限努力しております。

しかしながら、停電中及びその前後の時間において、取引の安全性確保の観点から、一時休業等の対応を取らざるを得ない支店や営業拠点も発生しております。かかる事態を受けて、各社においては、お客様に本支店やATMの一時休業状況等を店頭の掲示等を通じて速やかにお伝えするよう努めております。引き続きお客様にご迷惑をおかけいたしますが、ご理解くださいますようお願い申し上げます。

また、社員会社各社においては、金融上の措置として、被災し、印章等を紛失された方への対応や休日営業への取組み等、各種手段を講じているところです。

引き続き、当協会及び加盟会社としても、節電対策に積極的に取り組みつつ、被災地域における金融及び経済の安定を維持するべく全力で対応を図って参りたいと考えております。
 皆様の安全と、被災地の復旧を心よりお祈り申し上げたいと思います。

ここからは、個別社として申し上げます。
 海外メディアの報道にもあるとおり、日本には復興への底力が必ずあります。本当にこういう時こそ国民全員が前を向いて進むことが重要だと思います。各社が既に公表した義捐金の取り組み以外にも、信託機能を活用し、日本版「プランド・ギビング信託」のような、寄付を促進・仲介する商品をできるだけ早く立ち上げ、被災者の皆さん・社会全体を元気づけることに少しでもお役に立ちたいと考えています。住友信託銀行としては、中央三井トラストホールディングスと共同で、このような各種取組を検討・推進してまいりたいと考えています。

最後になりましたが、今回の震災を受け、中国信託業協会から、お見舞い、励ましのメッセージを頂いております。この場をお借りして、ご報告させて頂くと共に、御礼申し上げます。

協会長として1年を振り返って

問:
 信託協会長としての会見は本日で最後だが、今年度の協会活動の振り返りをお願いしたい。
答:
 それでは、年度初めの抱負でも述べさせていただいたことを中心に、4点お話をさせていただきます。

 第一に、社会の期待に沿った信託の開発というテーマを掲げましたが、積極的な税制改正要望等を行ってきた結果、寄付者と非営利団体をつなぐ寄付仲介機能を担う「日本版プランド・ギビング信託」に係る税制措置が昨年末の税制改正大綱において認められ、また「後見制度支援信託」については、最高裁との間で一定の合意に至りました。国会の状況次第ではありますが、プランド・ギビング信託が導入されれば、豊かな寄付社会の形成に大きく貢献していくことができるものと考えております。
 先程も申し上げたように、震災復興に少しでも役立てるよう、我々としては早く立ち上げていきたいと考えております。

 第二に、アジアとの連携強化について、北京の中国信託業協会等との交流や、上海で開催された信託国際フォーラムへの参加等の活動を行っております。また、台湾信託公会と韓国金融投資協会が日本の信託の調査のために来日されました。こうした交流によりアジアにおいて日本の信託業への関心を喚起し、一層の交流進展につながることを期待したいと存じます。

 第三に、当協会は、10月より指定ADR機関としての業務をスタートしました。あっせん委員会の委員を増員し、また必要な周知活動を行ってきており、今後とも、信託業の健全な発展に資する業務をしっかりと行ってまいりたいと存じます。

 第四に、昨年の初めに金融庁が公表した金融資本市場に係る制度整備の一環として、国債取引に係る決済リスク低減の観点から、当協会と日本国債清算機関との協働で、信託銀行の清算機関利用に向けた制度設計についての検討を行ってまいりました。昨年12月末にはその大枠について合意し公表しており、一定の道筋がつけられたと考えております。

 最後に、昨年4月に会長に就任しましてから、間もなく1年が経過するわけでございますが、この間の皆様のご支援に深く感謝申し上げますとともに、心から御礼を申し上げます。

 4月以降、会長会社の務めは、みずほ信託銀行さんに引き継ぐこととなります。当協会は、来年度、一般社団法人への移行認可申請を行い、新しい法人としてスタートを切ることを予定しておりますが、今後とも当協会の活動に対しまして、一層のご支援、ご理解等賜りますよう、どうか宜しくお願い申し上げます。

震災後の景気動向および不動産市況について

問:
 震災後の景気動向および不動産市況、急速な円高がもたらすマクロ経済への影響をどのように見ているか。
答:
 個社としてお答えします。
 まず景気動向についてですが、日本経済は昨年末頃から輸出増を契機に踊り場を脱し、回復軌道に乗る段階に来たと思っておりましたが、今回の震災により、かなりたくさんのマイナス材料を抱えたということです。震災地を始めとした生産活動の低下や電力の供給制限による影響、企業・消費者のマインドの低下です。それに加えてこの円高が加わり、かなり大きなマイナス材料が山積していると言わざるをえません。ある程度の期間、我が国の経済活動が弱まることは避けられない情勢だと思っております。
 一方で、復興に向けて、政府・民間・行政とも懸命の努力を続けており、国内外の様々なところから支援の手が差し伸べられています。加えまして、また我々日本に住む人々の震災に対する冷静で秩序ある姿勢は、海外からも賞賛の対象になっていると聞きます。日本国民が一丸となって復興に向けた具体的な動きをしていけば、経済活動が上向きに転じるには、それほど時間を要しないと思っています。
 続きまして、不動産の市況についてですが、東京地区においては、底値を探っていって、その後緩やかに回復する一方、その他地域については、もう少し回復に時間がかかると見ておりました。今回の震災を受け、基本的なシナリオには変わりはないとは思うのですが、様子見、あるいは不動産にかかわる事業の先送りもしくは凍結という動きが現実問題として起こってきており、先ほどのシナリオの時間軸は少し延びていく、あるいは長期化すると考えざるを得ず、地域間の跛行性は更に強まると思います。もう一つは今回の震災を受けまして、不動産の取引上、自然災害へのリスクへの備えについて、従来以上に注意深くなっていくということでございます。その意味では、信託銀行が持っている不動産鑑定の能力というのは期待もされ、お役に立てるのではないかと思っています。

被災地の支店の状況について

問:
 被災地の支店の状況を伺いたい。
答:
 個社としてお答えします。
 当社には仙台支店がありまして、他の信託銀行を含め仙台に4か店あります。当社としては、必要人員を確保して営業を継続しています。やや疲労困憊ではありますが、混乱なく営業活動を行っています。

計画停電について

問:
 計画停電も長期化する見通しで、先ほど自家発電という話もあったが、対応についてもう少し伺いたい。
答:
 個社としてお答えします。
 計画停電につきましては、対象となる営業店がいくつか出てきていますが、従来より事業継続計画を立て、訓練をしていたこともあって、お客様へのサービスレベルを下げることなく、金融の本来の決済、資金供給等について支障をきたすことなく続けている状況でございます。計画停電については、時間、頻度等について予測がつきにくいものですから、その動向を見るとともに、我々ができるのは節電であり、非常に重要なことだと認識しておりますので、営業店も当然ですが、本部ビル含めて節電運動を強化している状況です。

急激な円高の進行について

問:
 昨晩から急激な円高が進行していて、その理由として日本の企業と投資家等が海外資産を売却して、日本に資金を還流させているのではないかという思惑が大きく働いているようなのですが、機関投資家である信託銀行として、自己勘定、他人勘定を含めそういう動きがあるのかどうか伺いたい。
答:
 個社としてお答えします。
 マーケットでどういう噂があるかは別として、私どもでそういった顕著な動きがあるわけではない状況です。今回の短期的な動きについては、いろいろな議論が輻輳し複雑化していますので、一概には言えないと思います。私見ではありますが、震災のこともあり、日本の超低金利政策というのは長期化は避けられないという情勢は強まっていますので、更なる円高の進行というのは、少し長い目で見れば可能性は低いのではないかと考えています。

震災後の景気動向について

問:
 経済活動がある程度弱まるのではないかとのお話がありましたが、具体的な期間を伺いたい。
答:
 今回の震災の復興活動ですが、最初は生産あるいは消費にダメージを受けるわけですが、復興需要というのが過去の例を見ましても出てくるということですので、具体的な期間は言えないですが、できるだけ早くダメージから復興需要に振り替わることを強く期待しています。

後見制度支援信託について

問:
 後見制度支援信託について、1年間の成果としてあげられ、最高裁と一定の合意となっているとのことですが、まだ詰まっていないところがあるのか。
答:
 (上野専務理事から回答)先般、最高裁と信託協会で合意ができたということで、どのような仕組みかも含めて発表させていただきました。その後、弁護士連合会からまだ十分に検討や意見交換が行われていないので、拙速に導入することは避けるべきであるとご指摘がありました。もともと最高裁からの提案で始まった話でもあり、これから日弁連等の関係団体と最高裁との間で意見交換が行われる予定であると聞いています。できれば、4月ぐらいから開始したかったわけですが、今回の地震の影響もありますから調整に時間を要すると思いますので、実施の開始時期は4月ということではなくて、遅れるだろうと思います。

震災後の景気動向について

問:
 景気の先行きについては、期待を込めてとのことを語っていただきましたが、実際当面、企業、不動産、金融の与信コストとか、どの程度のインパクトが見込まれるか。
答:
 住友信託銀行のケースでは、例えば東北地方のお取引先様については、一部連絡がとれないお取引先もございます。まずは現状把握という状況で、その上で影響を見ていくということでございます。何がしかの影響があるのは間違いないと思われますが、そのあたりの先行きについて、今の段階で予測、予想は難しいと思います。

後見制度支援信託について

問:
 先ほどの後見制度支援信託について、地震の影響とのお話があったが、地震とどういう関係があるか。
答:
 (上野専務理事から回答)これから日弁連と最高裁で意見交換をする予定であると聞いています。それがスムーズに行われればいいですが、あわただしい時期でもあり、4月まで時間があまりないので、遅れるだろうということです。

プランド・ギビング信託について

問:
 プランド・ギビング信託が復興に際して、役に立つということなのですが、具体的にはどういうことか。
答:
 日本版「プランド・ギビング信託」は寄付目的信託として利子非課税の措置が予定されているところです。復興のための寄付等のニーズは非常に高まっていると聞いておりますので、復興支援をいたします非営利法人等に対して寄付をしていこうということでございます。そういった活動を主として行う非営利法人が既に活動のピッチをあげておりますし、新たなところも活動開始するということですので、我々信託が、広く寄付をしようという意欲をお持ちの方と非営利法人や、そういった活動をしておられる団体とをつなぐということです。もともとは、こういう事態がなければ、もう少し長い目で取り組んでいこうと考えていた訳ですが、足元でニーズが出てきたと考えています。
問:
 同じくプランド・ギビング信託についてであるが、国会での審議中ということもありますが、当初は秋頃に念頭においていたかと思います。震災状況になって、その取扱いはいつぐらいをイメージしているか。
答:
 国会でのご議論を経て、法律が制定され、政省令が整備された上で、それにあわせた商品設計が必要になります。我々の希望としては、政治情勢等ございますが早期に導入すべく、協会ベースで、あるいは個社ベースでも相当検討は進んでいますので、政省令が施行されれば、出来るだけ早く取り扱えるように体制を整えたいと思っています。

以上

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