平成30年信託協会長年頭ご挨拶

昨年の日本経済を振り返りますと、アベノミクスの推進による経済成長の実現により景気が拡大し、名目GDPは過去最高の水準に達しました。また、企業収益は最高益を更新し、雇用・所得環境も大きく改善し、経済の好循環への動きが見受けられました。
    本年も、世界経済の緩やかな成長のもと、米国の経済政策運営の影響や地政学的リスク等を注視する必要はあるものの、日本経済は景気回復基調が続くものと見込まれています。
    また、近年急激な高まりを見せているIoT、ビッグデータ、AIといったイノベーションが、経済の好循環を更に拡大させることも期待されています。

信託業界に目を向けますと、信託財産残高は、一昨年に1,000兆円を超える規模にまで拡大し、以降も順調に残高を伸ばして、昨年9月末には約1,081兆円と史上最高額を更新しました。これは、信託制度が重要なインフラとして、わが国の社会・経済の発展に大きく貢献している証であると認識しております。

さて、私は、昨年4月の信託協会長就任にあたり、所信として「信託機能の発揮による社会・経済の発展・成長への貢献」および「信託に対する信頼の向上」の2つを掲げました。
    信託協会では、社会的・経済的諸課題に対応するための信託の活用拡大や国民の安定的な資産形成を後押しする税制改正要望、お客さまの利便性向上に資する規制改革要望等各種活動を行っているところでございます。また、昨年5月に「日本版スチュワードシップ・コード」が改訂されましたが、私どもも日本を代表する機関投資家として、投資先企業の持続的な成長とお客さま・受益者の中長期的な投資リターンの拡大を図るため、スチュワードシップ活動の実効性向上に取り組んでおります。

昨年、新信託法の施行から10年が経過しました。その間、超高齢社会への対応や金融の高度化といった時代の要請を背景に、遺言代用信託、受益証券発行信託や担保権の信託等、様々な信託商品が開発され、普及してきました。
    本年も、益々高まる信託に対する社会の期待に応えるべく、我々信託の担い手一人ひとりが、信託制度の多様性や柔軟性といった特性を活かして創意工夫に努め、新たな商品・サービスの開発・提供に知恵を絞り、社会・経済の発展・成長に貢献して参りたいと思っております。

以上

一般社団法人信託協会 会長 飯盛 徹夫

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