常陰会長就任記者会見

平成22年04月08日

冒頭、上野専務理事より、本日開催された理事会において、信託協会の新会長に住友信託銀行 常陰均取締役社長、新副会長にみずほ信託銀行 野中骼j取締役社長を互選し、就任した旨、また、新一般委員長に住友信託銀行 穂積孝一常務執行役員が就任した旨の紹介を行った。

続いて、第85回信託大会を4月14日(水)午後3時から経団連会館にて開催し、金融担当大臣と日銀総裁にご挨拶をお願いしているほか、東京大学の神作教授に「信託法・信託関連法の近時の展開と課題」と題する講演をしていただくことになっており、引き続き懇談の席も用意しているので、記者クラブの方々にも是非出席いただきたい旨案内を行った。

また、平成22年度の信託研究奨励金の募集を開始したことについて説明を行った。

会長就任の抱負

このたび、信託協会会長に就任いたしました常陰でございます。これから1年間よろしくお願いいたします。就任にあたりまして若干の抱負を申し述べたいと思います。

第1には、「信託制度の一層の活用により経済・社会の活性化に貢献していく」ことであり、具体的には、社会の期待に応える信託スキームの開発、新しい信託制度の活用、アジアにおける連携、の3点でございます。

まず、「社会の期待に応える信託スキームの開発」ということですが、いま盛んに議論が行われております、少子・高齢化や社会貢献に関する政策において、信託の機能を活用していただくことも可能なのではないかと考えており、社会からの期待・要請に応え、社会インフラとなり得る、新しい信託スキームの開発に力を入れて参りたいと存じます。

次に、新しい信託法の施行から2年半を経過して、その更なる活用の検討が必要であると考えております。これまで各社の尽力により新しい信託商品として実現化してきたものもございますが、更に活用の範囲を拡げ、利便性を高めていく必要があり、そのために、規制改革や税制改正等の要望・提言も積極的に行って参りたいと存じます。

また、様々な分野でアジアとの連携強化が強く求められている中、信託に関しても、お互いの制度への理解を深めていくことが重要であり、アジアの信託制度に関する研究や、中国をはじめとしたアジア各国の信託協会等との交流・情報交換を検討して参りたいと考えております。

続きまして、抱負の第2は、「信託に対する期待に応え信頼の確保に努めていく」ことでございます。
 顧客本位の姿勢こそが信託の根本精神であると考えておりますが、金融・経済危機を経験した今、信託に対する期待は、従前にも増して高まっているのではないかと考えております。

信託に対する信頼は、私どものみならず関係者の方々の不断の努力の賜物であることを強く認識し、この信頼を維持・向上させることができるよう、コンプライアンス活動の推進等、今後も努力を重ねて参る所存でございます。

また、金融機関としての社会的責任・公共的使命を果たすため、一層の金融の円滑化や、利用者保護の推進にも積極的に取り組んで参りたいと存じます。

以上、信託協会長としての抱負を申し述べさせていただきました。
 引き続き信託協会の活動につきまして、ご理解、ご支援いただきますようお願い申し上げます。

社会の期待・貢献、信頼の確保

問:
 就任の抱負の中で、「社会の期待」、「社会の貢献」、「信頼の確保」というのがキーワードになっていたかと思いますが、この点について、重点的に取り組みたいことをもう少し具体的に教えて下さい。
答:
 社会の期待については、昨年、閣議決定されております新成長戦略の中で、少子高齢化対策の一つとして、子供の成長を支えていく必要があるということと、新しい公共を実現するということについて触れられているかと思いますが、こういうジャンルでの信託の活用を考えられないか、ということを考えております。

 具体的には、少子高齢化対策として、祖父母から孫に教育資金の贈与を行うことを信託のスキームで活用できないかといったこととか、社会貢献の面においては、例えば、国民の皆さんが公益への活動に参画できるように、いわゆる寄付制度と申しますか、寄付スキームを信託を活用してできないかというようなことを考えています。

 信頼という点につきましては、先ほども申し上げましたとおり、信頼の確保ということで、ガバナンスとかコンプライアンス活動の強化ということを申し上げましたが、今年は信託協会においても、いわゆる金融ADRの申請をこの5月から7月の間に行いまして、秋から金融ADR機関として活動したいということで考えており、いわゆる利用者の方の保護という点に注力しながら、活動を広げられればと思っております。

郵政民営化

問:
 政府の方で郵政民営化の見直しで、一つの例をあげれば、ゆうちょ銀行の限度額引上げが決定されております。民業圧迫の懸念を指摘する声もありますが、郵政民営化についての考えをお聞かせ下さい。
答:
 郵政の民営化につきましては、銀行業界としては、いわゆる「公正な条件の確保」とか、「民業補完」とか、「事業間のリスク遮断」といった点に十分配慮いただくようにと意見表明してきたところではありますが、現実の状況はご存知の通りに進んでおります。

 私どもとしましては、今後、法制化のステップに入っていく段階においても先程来の観点や金融機関への影響、あるいは、金融仲介機能がきちんと発揮できるのかどうか、また、地域経済への影響等々、改めて見極めていただいて、慎重な検討を重ねていただければと思っております。

景気認識

問:
 今年度の景気認識についてですが、特に関係のある不動産を含めてお聞かせ下さい。
答:
 景気につきましては、皆さんも認識いただいているように、輸出を主導といたしまして、国内の生産にもその影響が及んできておりますので、緩やかな回復過程にあるという認識を持っております。

 これが今後についてどうかということになりますと、やはり厳しい家計所得環境、雇用状況等を鑑みますと、個人消費の伸び悩みということもありますので、回復ピッチはやや鈍化していくのではないかと考えておりますが、その反面で輸出環境は、しばらく続くだろうと考えます。

 それから企業収益と設備投資も、本年後半にかけて少し上向いてくるのではないかと考えており、ペースは落ちるけれども、二番底に陥ることなく、この回復傾向は、引き続き維持されるのではないかというのが私どもの考え方でございます。

 また、不動産の市況については、昨年は信用収縮といわゆる買い手不在ということで、凍てついていた状況だったと思いますが、そういった状況からは徐々に脱却しつつあるのではないかとの基本認識でございますが、いわゆる回復と言える状況までには、もう少し時間がかかるのではないかと考えております。

 そう申しますのは、空室率とか、賃貸条件の成約状況、売り手と買い手の成約の状況等を見ますと、まだまだ厳しいものがございますが、その一方で投資家のマインドは少し転換しつつあり、資金調達環境においては改善が見られ、不動産投資資金の流入も一部見受けられるようになったということですので、今後においては、地域とか立地とか、グレードとかといったものによるバラつき、二極化が出てくる中で底を探っていくのかなということです。

 私ども個社として考えているメインシナリオとしては、東京地区においては、今年の後半くらいに底を探り、その後緩やかに回復、それ以外のエリアについては、少し時間をかけてそれに遅れてくるというのが基本認識でございます。

今年度のマーケット

問:
 新年度が始まりましたが、今年度のマーケットをどう見るか、特に長期金利をどう見ているか、リスク要因なども含めて教えて下さい。
答:
 個社として申し上げますと、基本的には、長期金利については景気回復に伴って上がり基調だと思っておりますが、その一方で上限が一定程度あると考えております。やはりデフレ傾向が続いている中で、金融緩和基調というものは続けていくであろうということですし、巷間「悪い金利上昇」などということが言われていますが、そこは市場との対話がなされていくだろうということで、少し上がり基調ではあるけれども、限定的ではないかと考えております。

日銀の追加緩和策

問:
 日銀では、先月追加緩和の措置がありました。景気の基調が上向きつつある中での追加措置には反対票が現に2票出るという状況でしたが、市場参加者の一角として、現状の日銀の金融政策についてはどうお考えでしょうか。
答:
 そのようなご意見もあるかと思いますが、個社としての考えではありますが、景気回復の過程にあるとはいえ、需要不足の幅は非常に大きいと考えていますので、その意味では、前回の施策も含めて、金融緩和を当面続けていかれるという適切なご判断をしておられると考えております。

規制改革要望

問:
 規制改革要望について、具体的にどういうことを要望していくのでしょうか。
答:
 規制改革要望については、先ほど申し上げた制度のスキーム上の難点があれば、当然申し上げていくのですが、現状、今年の2月に規制改革の要望をして、関係省庁からこの4月に回答が出てくると認識しておりますので、それを見て対応していくということになると思います。

以上

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