野中会長就任記者会見

平成23年04月05日

冒頭、上野専務理事より、本日開催された理事会において、信託協会の新会長にみずほ信託銀行 野中骼j取締役社長、新副会長に三井住友トラスト・ホールディングス 田辺和夫取締役社長を互選し、就任した旨、また、新一般委員長にみずほ信託銀行 大井 直常務執行役員が就任した旨の紹介を行った。

続いて、平成23年度の信託研究奨励金の募集を開始したことについて説明を行ったほか、地震の影響等を勘案し、第86回信託大会を中止した旨案内を行った。

会長就任の抱負

このたび、信託協会会長に就任いたしました野中でございます。よろしくお願いいたします。

はじめに、3月11日に発生しました東北地方太平洋沖地震におきまして、東北地方を中心として広い範囲で甚大な被害が生じており、お亡くなりになられた方々に対して心よりお悔やみを申し上げますとともに、被災された方々には、心からお見舞いを申し上げます。
 当協会および加盟会社としましては、被災された方々の救援や復旧にお役に立てますよう、金融および経済の安定に全力で取り組んでまいりたいと思います。

また、現在、国を挙げて電力の安定供給確保に向けて計画停電が実施されております。加盟各社においては、自家発電設備等の活用により平常どおり業務を継続すべく最大限努力しておりますが、一部の業務を休止する等の対応を取らざるを得ない営業拠点も発生しております。みなさまには大変ご不便をおかけいたしますが、何卒ご理解・ご協力くださいますようお願い申し上げます。

信託協会会長就任にあたりまして、若干の抱負を申し述べたいと思います。

第一に申し上げたいことは、「信託機能の発揮により、社会からの要請に対し適切に応えていく」ということであります。
 これまで、投資信託や年金信託などが皆様の生活に欠かせない重要なインフラとして定着してきた一方で、排出権信託や担保権信託など、社会が直面する問題を幅広く解決できる新たな枠組みとしても活用され始めてきております。
 特に最近は安全・確実な財産管理制度としての信託に対する期待度や注目度が飛躍的に高まっており、こういった社会からの要請に対し、適切な商品・サービスを提供することで、信託のプレゼンス向上に努力していきたいと思います。

第二は、「経済・社会の活性化に貢献できる新たな信託ビジネスを創出していく」ということであります。
 信託は、専門性を発揮し、創意工夫に果敢に挑戦することによって、経済・社会の活性化にまだまだ貢献できる可能性を秘めており、各社が創造力を発揮し切磋琢磨を重ねることによって、新ビジネスを作り出すことが可能であると考えています。
 皆様の期待・ニーズを的確に把握し、それに応えられるよう、規制改革や税制改正等の要望・提言を積極的に行っていくとともに、新たな信託商品の発想につながる調査・研究も強化していきたいと思います。

第三は、「信託に対する信頼の確保に努めていく」ということであります。
 信託は、まさに「信じて託す」であります。今後も、高いコンプライアンス意識のもと、受託者としての責務を果たし、誰もが信託を安心して利用できるよう、信託の健全な発展に努力していきたいと思います。

以上、3点申し述べましたが、こういった取り組みを通じて、広く皆様に信託制度を認知いただき、「信託」を国民に身近なものにしていく、そのための努力を重ねていきたいと考えております。
 引き続き信託協会の活動につきまして、ご理解、ご支援いただきますようお願い申し上げます。

信託のプレゼンス向上について

問:
 抱負の中で「信託のプレゼンス向上」とあったが、どのような取り組みをするのか。
答:
 信託という機能やサービスをもっと国民・企業にとって身近な存在にし、認知度を高めていくことが、私の目標です。お客さまからの認知度を高めていくためには、加盟各社がお客さまのニーズに即したヒット商品やサービスを提供していくことが一番であると思います。加盟各社が新しい商品やサービスを出しやすい環境を整えていくことが信託協会の役割だと思います。信託協会として、加盟各社とのコミュニケーションを図りながら、税制・法制面での環境整備の支援などを展開していきたいと考えております。

大震災に対する取り組み

問:
 阪神・淡路大震災のときは、協会として公益信託を利用した遺児育英基金を設立したと思うが、今回、復興支援について具体的にどう取り組んでいくか。
答:
 復興のキーワードとして、新しいまちづくりというものがあります。それを実施していくには、不動産をどう活用していくのかが大きなテーマだと考えております。不動産に関しまして、信託銀行は今までの長い業務経験で培ってきた知見を持っております。復興支援を考えるうえで、国や地方公共団体などに対して、我々の知見を披露し、制度、ノウハウ、サービスが活かせるものであれば、活かしていただきたいと考えております。まずは、国や地方公共団体に対して、我々が持つ機能を知ってもらうことが信託協会の役割だと思っております。
問:
 具体的なプラン、アイデアはあるか。
答:
 個人的な考えではありますが、例えば、被災地の周辺には、たくさんのゴルフ場があります。そうしたゴルフ場を活かしていくのも一つの考えかと思います。ゴルフ場の特性として、敷地が広大で、一応の造成がされており、それから道路も整備されております。被災者の方々が、避難所からまた違う避難所に移っている光景を見て、一つのエリアをまとめて、新しい生活拠点としたいと切望されているケースに接しましたときに、例えば、ゴルフ場を活かしていくということはありえるかと思いました。これに土地の信託などの信託機能を活かしていくなど、私の個人的なアイデアレベルではありますが、こうしたノウハウも信託銀行にはあるのではないかと思います。しかるべき場で、我々の考え方を申し上げる機会がありましたら、私としては、協会として対応していくことも十分ありえるのではないかと思います。

みずほ銀行のシステムトラブルについて

問:
 みずほ銀行のシステムトラブルについて伺いたい。金融機能が一時的とはいえ損なわれたが、協会長として、あるいは、みずほ信託銀行の社長として、それぞれどのようなご感想なのかコメントをお聞きしたい。
答:
 信託協会の会長の立場として、また、みずほ信託銀行の社長の立場として、それぞれ分けてお話させていただきます。信託協会長として申し上げますと、銀行にとって、決済は基本中の基本のサービスであります。その機能が損なわれてしまったということは、大変遺憾でありますし、極めて残念なことだと思います。また、みずほ信託銀行の社長としては、責任を痛感しております。本当に申し訳ございませんでした。

企業の資金ニーズについて

問:
 企業の足元の資金ニーズについて伺いたい。マーケットで社債発行を延期するなど、調達環境が厳しくなっていると思う。そのような中、融資の要請など資金需要はどのような状況か。
答:
 個社として申し上げますと、既に、報道されております東京電力のような大企業だけではなく、中堅クラスの企業からも復興資金としての借入要請を受けております。なお、ご質問にありましたように、社債、CP等の発行環境が少し悪化しておりますので、銀行借入というニーズが急速に高まっているということだと思います。信託銀行においてもバンキング業務は重要なビジネスであり、そうした復興支援に対して、適切に、かつスピーディに応えていくことが社会的使命であると認識しておりますので、まずは真摯にご相談に応じていきたいと思っております。
 また、個人のお客さまについては、震災により、借入人ご本人が亡くなられたり、行方不明になられたりしておられます。残されたご遺族の中には、借入人ご本人の資産や借入・返済条件がどうなっているのか判らない方が非常に多いと思います。私どもの仙台支店におきましては、今私が申し上げたようなご相談が非常に多くなっております。こうしたお悩みに対して、適切に応えていくことが非常に大事であると思っております。

当面の投資動向について

問:
 震災後のマーケット環境において、個人投資家の貯蓄から投資へのシフトは、なかなか難しいと思う。投信などの手数料収入が落ち込むことが予想され、信託銀行の経営に影響があると思うが、どう考えているか。
答:
 資産運用商品の販売については何とも言えませんが、やはり、当面は安全性重視、元本確保型といった傾向になると思います。また、直接的に影響が出るのは、不動産取引ではないかと思います。あれだけの震災を目にしますと、ポートフォリオの中で不動産をどう位置付けるのかということを、被災者だけなく、国民が一様に考えると思いますし、現実的に震災後の不動産取引は、かなり減少しております。

以上

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